東名高速道路で起きた転落事故現場(写真:共同通信社)東名高速道路で起きた転落事故現場(写真:共同通信社)

 2025年も半分が過ぎようとしている。この半年を振り返ると、トランプ大統領の就任やトランプ関税に始まる市場の動揺、中居問題に端を発したフジテレビのコンプライアンス問題、ホンダと日産による経営統合の破談と日産の巨額赤字計上、インバウンドの増加に伴うオーバーツーリズム、生成AIの進化に伴うさまざまな倫理的課題──など内外でさまざまな問題が報じられた。

 そんな数々のニュースの中でも特に気になっているのは、これまでの常識や価値観では考えられなかったような事件が目立つことだ。6月1日、東名高速道路の路側帯に乗用車が落下した事故が起きたが、逮捕された男は同乗した子どもふたりを置き去りにして現場から逃走していた。ふたりは交際する女性の子どもだったようだが、事故後、同乗者を置き去りにして逃げるなどというのは、常識ではちょっと信じがたい。

 この記事では、そんな日本の現状を象徴するような、5月に起きた理解に苦しむ気持ち悪いニュースを集めた。日本人が単純に劣化しているのか、それとも人々の行動を規定していた社会的規範や価値観が根底から崩れ、アトム化した個人が自由に振る舞うようになったのかはわからないが、集団思考的で規律があると言われてきた日本が変質し始めているのかもしれない。

*肩書や年齢は報道当時

【ちょっと気持ち悪い①】
レーサム元会長とP活女子の薬物漬け乱交パーティ

 不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者(60)が違法薬物所持の容疑で逮捕された。都内の高級ホテルで覚醒剤とコカインを所持した疑いだ。また、職業不詳の奥本美穂容疑者(32)と、東京科学大学に通う小西木菜容疑者(21)もあわせて逮捕されている。

 週刊文春などの報道によれば、田中容疑者は都内の高級ホテルにキャバクラ嬢やセクシー女優、港区女子などの女性を集め、薬物を摂取させたうえで“乱交パーティ”に及んでいたという。唸るほどのカネを持った人間が金に飽かせて女を買ったり、変態行為に興じたりするのは今に始まったことではないが、カネの多寡が道徳律になりつつある今の日本を象徴した事件かもしれない。

◎「一晩で300万円」一流女子大生をシャブったレーサム元会長の乱交パーティ(週刊文春電子版、2025年5月21日)
◎「レーサム」元会長を逮捕 覚醒剤とコカイン所持か―警視庁(時事ドットコムニュース、2025年05月12日)