
5月27日、韓国の大統領選挙に出馬した候補らによる最後のテレビ討論会が開かれた。
この日の討論会のテーマは、政治/外交安保分野だったのだが、実際には相手への誹謗と下品な暴言であふれ、政策討論とは名ばかりの、醜悪な討論会となった。
「韓米日協力は必要、でも中国、ロシアもないがしろにはできない」
長期的な経済低迷と社会的分裂が深刻な韓国では、今回の大統領選では「外交安保政策」は主要イシューに含まれていないという指摘もある。そのためか、当選が有力視される共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)候補は今回の討論会でも自身の外交安保観に対して具体的な認識を示さなかった。
27日の討論会のうち、外交安保分野に対する李在明候補の冒頭発言は次の通りだ。
「今、国際社会の不安定性がかなり高まっています。アメリカの保護主義・自国優先主義、ロシアの軍事力強化、中国の軍事力強化、ロシアと北韓との接近、日本との関係など非常に複雑です。私は大韓民国の外交の根幹は韓米同盟だと思います。韓米同盟を実質的かつ包括的に漸進的に未来志向的に発展させることは正しい方向です。その基礎の上に韓米日協力も必要です。韓米日協力の内容は当然、安全保障、技術、文化、環境などいろいろあるでしょう。
だからと言って中国とロシアの関係をないがしろにしてはいけません。(韓国外交にとって)重要な部分であるため、適正に管理する必要があります。不必要に敵対化する必要はないということを申し上げます。平和と安定が重要です。大韓民国の軍事力水準は世界第5位、大韓民国の国防費は北朝鮮のGDPの2倍に達します。強力な軍事力の上に(北朝鮮との)対話と協力、平和が必要です」