マンション価格の高騰で中古マンションのリセールバリューも軒並み上がっているが…(写真はイメージ、chaponta/Shutterstock.com)

 不動産調査会社の東京カンテイでは、毎年、鉄道駅ごとに中古マンションのリセールバリュー(新築時価格の維持率)を調査している。マンション価格が高騰を続けている中、ほとんどの駅でリセールバリューが上がっているが、ごくわずかだが、下がっている駅もある。その理由が分かれば、マンションの場所選びにあたっての良い判断材料になる。住宅ジャーナリストの山下和之氏がレポートする。

首都圏中古マンションのリセールバリューは10年間で1.5倍に

 東京カンテイのリセールバリュー調査は年に1回実施されている。竣工から10年が経過した分譲マンションのうち、現在流通している物件を抽出して、分譲当時の価格と現在の価格を比較。「中古流通時の価格÷新築分譲時の価格×100」の計算式でリセールバリューを算出している。

 例えば、分譲時の価格が5000万円で、現在価格が6000万円なら「6000万円÷5000万円×100」で、リセールバリューは120%。反対に4000万円に下がっていれば、「4000万円÷5000万円×100」で80%ということだ。数字が大きいほどリセールバリューが高く、マンションの資産価値が高まっていることになる。

 リセールバリューはこのところのマンション価格高騰で、【図表1】にあるように年々高くなっている。2024年の首都圏の平均は147.8%で、近畿圏は136.6%となっている。首都圏であれば、10年間で平均1.5倍になっているわけだ。

 首都圏では372駅が調査対象になっているが、うち150%以上の駅が127駅、100%以上150%未満が236駅で、合計すると363駅が上がっている。下がっているのはわずか9駅ということになる。