攻撃件数は2022~23年に4倍、さらに23~24年に3倍弱に
「西側に対するロシアの影の戦争」と題した米戦略国際問題研究所(CSIS)の報告書(今年3月)は「ロシアはGRU主導の下、欧州全域における米欧拠点への破壊、転覆活動を激化させている。攻撃件数は2022~23年に4倍、さらに23~24年に3倍弱に増えた」と指摘する。
ロシアの主な目標は(1)米欧、その他の国々において心理作戦を通じロシアの利益を実現するよう世論に影響を与える、(2)政府、企業、個人がウクライナへの軍事、その他の支援に協力しないよう圧力をかける、(3)北大西洋条約機構(NATO)同盟国間に亀裂を生み出すことだ。
ノルウェーの情報機関は昨年「いかなる破壊工作も背後に誰がいるのかを証明するのが困難な方法で実行される可能性が高い。ロシアは集団的自衛権に関するNATOの5条を発動させる可能性のある事態を回避したいと考えている」と分析している。
GRUの将校が直接、または採用した工作員を通じて間接的に関与した可能性が高い。秘密作戦を実行するため採用された現地の代理人は戦略的破壊工作や駆け引きの訓練を受けたプロの工作員ではない。金で動く犯罪者の行動は洗練されておらず、野蛮になることが多いという。