
(スポーツライター:酒井 政人)
2部ハーフは駅伝強豪校が大激戦を展開
関東インカレの最終日は朝に男子のハーフマラソンが1周1.58kmの周回コース(12周)で行われた。8時にスタートした2部は1部の倍以上となる62名が出場。山川拓馬(駒大4)が引っ張るかたちになり、徐々に集団が削られていく。15km付近での先頭集団は7人。残り1周で前回3位の高山豪起(國學院大4)がペースアップすると、帰山侑大(駒大4)と抜け出すかたちになった。
学生駅伝で優勝を争う2校のマッチアップ。勝ったのは駒大の副将だった。
「山川が引っ張る展開で何度かきつい場面があったんですけど、終盤まで耐えて、『最後に出よう』と考えていました。高山君とふたりになったときは余裕があったんです。相手がきつそうだと思ったので、予定より少し早めに仕掛けました」
帰山は高山を突き放すと、後続を30mほど引き離してゴールに飛び込んだ。優勝タイムは1時間01分43秒だが、トラックを約4周するところを約3周で周回コースに出てしまったために参考記録となった(※トラック約1周分を加えると1時間03分00秒ほどのタイムになる)。
「なんか短いなと思ったんですけど、(トラック1周少なかったのは)知らなかったです。でも優勝は本当にうれしいです。僕は山川みたいにポテンシャルがあるわけじゃないので、頭を使って作戦を立てました。これまでタイトルを獲得したことがなかったので、最初で最後の関東インカレで勝てたのは良い思い出になりますね。両親が応援に来てくれて、その声援が支えになりました」
帰山は今年の箱根駅伝1区を区間2位と好走した選手。2月の日本学生ハーフマラソン(4位)は2秒差でワールドユニバーシティゲームズの日本代表を逃したが、今季は副将として、主将の山川とともにチームを引っ張っている。
「今季は最終学年ですし、副将という立場なので責任感もあります。故障者が多くてチームはまとまっていない感じがあるので、僕ら4年生が頑張る姿を見せて、後輩たちに少しでも刺激を与えたいと思っていました。個人だけでなく、チームも強くしていき、駅伝で勝負していきたいです」