
経済学や経営学などアカデミアの理論や研究成果は実ビジネスでも役立つことが多い。しかし、多忙なビジネスパーソンにはそんな勉強の時間はなかなか取れないのが実情だ。そんな中、超優良企業として新聞記事などにも取り上げられることが多いオリエンタルランドを例に、基礎的な需要・供給曲線から最新の経営理論、マーケティング戦略、人材育成までを解説したのが『新ディズニーで学ぶ経済学』(山澤成康著/学文社)だ。
ここでは同書の内容の一部を抜粋・再編集。公開されている財務諸表などのデータの読み方を分かりやすく解説すると同時に、同社の“真の強さ”を徹底分析する。
財務データからみるオリエンタルランド(会計学)

オリエンタルランドの利益をみてみると、営業利益と経常利益はほぼ重なっている。営業外収益や費用が少ないことを示している。当期利益は経常利益から税金が差し引かれている分、少なくなっている。特別利益や特別損失がある時は動きが異なる。
たとえば、2010年度(2011年3月期)は、東日本大震災の影響で特別損失が150億円計上されたため、経常利益は増加しているが、当期純利益は減少した。
■ 1人当たりでみる
2023年度のオリエンタルランドの売上高は6185億円で、当期純利益は1202億円である。大きな数字だとはわかっても、億円単位だと実感がわきにくいので、売上高などを入園者数で割って1人当たりの数値をみてみよう。